第70期 日米海上保安機関合同訓練
2024年7月9日
日時 |
令和6年5月29日(水) |
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場所 |
ホノルル沖(米国) |
練習船こじまは、ホノルル出港後、米国沿岸警備隊(以下、「USCG」という。)との日米海上保安機関合同訓練に参加しました。今回の訓練は、日米の海上保安機関の共同取組である“SAPPHIRE(サファイア)”の一環であり、本年最初の合同訓練となるものです。本訓練を通じて、日米海上保安機関での双方の情報伝達の方法や海難救助にかかる一連の活動を確認し合いました。本訓練は、実習生にとって、外国海上保安機関との連携の重要性を学ぶ貴重な機会となり、要救助者の捜索、搭載艇の降下、USCGカッター(海上保安庁では巡視船に相当)、航空機との通信など、日頃の実習の成果を発揮し、合同訓練を無事に完遂させました。
実習生のコメント
今回の訓練では、救助者をUSCGカッターへの引き継ぎ、訓練内容の一部として、編隊航行訓練を行いました。一直線に並んだこじまとUSCGカッターとヘリコプターの姿を見て、海上保安庁とUSCGが培ってきた強固な連携を目で見て感じることができました。編隊航行訓練後はフェアウェルに移行し、実習生はこじまの甲板上に並んで同カッターとヘリコプターを帽振れで見送りました。今回の合同訓練のような貴重な機会は現場に出た後には、なかなか経験することができないので、学んだことを現場で生かしたいと思います。
(航海科 浅見 駿)

私は、機関操縦盤の操作及び船橋での見張りを行いました。操縦盤の操作では、海中転落者を捜索するにあたって、本船の細かい船速調整が求められました。見張りでは、レーダーを使用して付近航行船舶の確認を行い、本船が安全に航行できるように心がけました。私は、普段レーダーに触れる機会が少ないのですが、捜索等の事案が発生した際には各科関係なく、一丸となって捜索にあたることを実感しました。他科の機器等に触れる良い機会となり、今回の訓練を生かしてさらにレーダーについて学びたいと思いました。また、双眼鏡を使用して見張りを行いましたが、波の動揺や太陽光の反射で要救助者の捜索の難しさを実感しました。
(機関科 胡木 皓一)

私は、捜索班として訓練に参加しました。捜索班はこじまの一番高い甲板から、捜索対象に見立てたブイを、双眼鏡や目視で捜索をする役割を担いました。今回の訓練では、実習生20名以上で、くまなく捜索対象を探しました。4キロメートル以上離れているブイを捜索するとなると、目視では難しく感じました。今回の訓練は、USCGとの合同訓練であるため、こじまの実習生・乗組員だけでなく、USCGカッターであるJOSEPH GERCZAKとUSCGヘリコプターであるMH-65と合同で捜索をしたことで、士気も上がり、心強くもありました。
現場に出れば、捜索救助のみならず、他機関と協力をして対応する事案もあります。今回の訓練を通して学んだ、他機関と協力することの重要性を忘れず、今後の合同訓練に生かしていきたいと思います。
(通信科 大山 天音)

私は今回のUSCGとの合同訓練に支援班として参加し、警救艇の降下作業を行いました。今回の訓練の想定では、海中転落者がいるという内容であったため、より早く、かつ安全な降下作業が求められました。また、USCGとの合同訓練であり、いつもよりも緊張感のある現場でしたが、作業員と力を合わせることでいつもより早く、かつ正確に作業を行うことができました。訓練の成功を同期と喜ぶと同時に、私たち海上保安庁とUSCGの関係性は非常に強くつながっていることを肌身で感じました。遠洋航海では、外国の海上保安機関の方々と交流する機会はたくさんありますので、滅多にない機会を存分に生かしていきたいです。
(通信科 本田 昇基)
