第70期 転科実習

2024年7月2日

日時

令和6年5月29日(水)~6月7日(金)

場所

太平洋(ホノルル~グアム間)

遠洋航海中の練習船こじまで転科実習を実施しました。転科実習とは、専攻する科とは違う科の船務を体験する実習です。同実習を行うことで今後現場で密接に関わる他科乗組員との理解も深まり、互いの苦労を知り、船全体のチーム力向上にも繋がります。また、知識や経験の少ない他科実習生に分かりやすく伝えるための工夫をすることで、専攻する科の船務についても今一度理解を深める有意義な実習になっています。

ちなみに船の大きさ等によって配属される職員も変わりますが、練習船こじまでは

航海科:操船、見張り、航海計画の立案、船体手入れなどを担当
機関科:エンジンの運転や整備、燃料油の管理などを担当
通信科:一般船舶や他の巡視船との通信、通信機器の整備などを担当
主計科:庶務や経理、物品などの管理、調理、看護などを担当
の4つの科があり、海上保安大学校では航海科・機関科・通信科の初級幹部職員(初任科は航海科・機関科のみ)を育成しております。

実習生のコメント

機関科の当直を経験することで、航海科が普段行っている翼角操作について、機関科の視点に立ち、エンジンの状態を見ながら翼角操作をする大切さを学びました。また、機関室内の見回りを通して機関を常に正常な状態に保つため、異常な発熱がないか、ビルジが増加していない等の見回りを常に行うことで、日々の航海を安全に行うことができていると知ることができました。

機関科での転科実習の経験を活かし、航海科として機関の状態を考慮した安全な航海に努めていこうと思います。

(航海科 古内 慎之介)

機関科船務を行う航海科実習生の様子
機関科船務を行う航海科実習生の様子

転科実習では特に通信科での実習が印象に残っています。

私の専攻である機関科ではこじまの主機や発電機など様々な機器の運転や整備を行っておりますが、その仕事の中で外部と関わることは、あまりありません。通信科での実習では、自船以外の船舶や陸上施設などの外部の機関と密接に関わりを持ち、船舶の安全な運航への貢献や気象海象の情報の提供など、多岐にわたる業務を受け持っていることを知りました。また、通信科は少人数でのワッチ運用となっていることから、多人数でのワッチ以上に個々人が責任を持って行動をする必要性を感じました。

今回の転科実習で、自船を運航するためには全ての科の協力が欠かせないものであることを痛感しました。他の科で学んだ知識を活かし、これまで以上に円滑で安全な実習を行えるよう努力して参ります。

(機関科 森井 郁佳)

通信科船務を行う機関科実習生の様子
通信科船務を行う機関科実習生の様子

転科実習が始まり、航海科実習生として船橋に立ち航海科の船務について学びました。普段とは全く違う仕事に慣れず、苦労することもありましたが私が所属している通信科との関わりや航海科特有の業務を知ることができ、船全体としての役割を理解することができました。この経験を私の本来業務である通信科船務に活かしていきたいと思います。

(通信科 小林 烈颯)

航海科船務を行う通信科実習生の様子
航海科船務を行う通信科実習生の様子

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