第70期 航海実習

2024年5月20日

日時

令和6年4月30日(金)

場所

太平洋(日付変更線付近)

天候  ー

練習船こじまは4月22日に呉を出港し約3ヶ月に亘る長期の航海実習が始まりました。航海実習中には航海科や機関科、通信科に分かれて船務を学んでいます。また訓練では搭載艇揚降操船訓練や搬送法訓練をはじめ多くの訓練が行われています。

大学校で学んだ知識を訓練や各科実習で実践するとともに、更なる知識や技能を習得するべく励んでいます。困難に直面することも多々ありますが、同期と助け合い、一歩ずつ乗り越え充実した日々を送っています。また、訓練だけではなく日付変更線通過祭を通して、乗組員の方々との交流を深め有意義な時間も過ごしています。

実習生のコメント

今回、私は人生で初めて日付変更線を越えるという経験をしました。現在はサンフランシスコに向けて東へ航走しているため、同じ日付を二回過ごすことになり、不思議な感覚になりました。GPSの経度を示す値が180°に近づいてくると、実習生全員がそのGPS装置の周りに集まり、カウントダウンを行いました。

国内航海時とは違い、周囲に灯台や建物はなく他の船舶とも滅多に遭遇しない太平洋上ではありますが、おそらくこの感動は遠洋航海でしか味わうことができないものだと感じています。今回の遠洋航海ではもう一度日付変更線を通過することになりますが、その頃にはさらに一回り成長した自分であれるよう、実習に取組みます。

(航海科 大久保 璃子)

日付変更線通過を喜ぶ実習生
日付変更線通過を喜ぶ実習生

4月26日にKYT研修を行いました。KYTとは危険予知訓練のことであり、船内で行う作業の中に隠れた危険を認識し、グループ内で討議して、安全管理意識の向上を図ることが目的です。実習生間で、船内作業の事例を取り上げ小グループでディスカッションを行う中で、様々な視点から意見を出し合い、発表を行うことで、安全意識の向上につながりました。遠洋航海でも、洋上での搭載艇揚降操船訓練など危険を伴う訓練があり、このKYT研修で学んだことを活かして安全に訓練に励みたいと思います。また、現場に出た際には乗組員の安全を守っていく立場なので、私たち自身も安全に作業を行えるよう、日々意識しながら取組んで参ります。

(機関科 胡木 皓一)

機関科船務を行う実習生
機関科船務を行う実習生

遠洋航海が始まり1週間が経ちました。日々、船務や訓練、掃除などで忙しく、娯楽のない生活にストレスが溜まってきている中で”日付変更線通過祭”というリフレッシュの時間が設けられました。ここでは、普段私たちのことを厳しく指導してくださる教官方も実習生たちも時間を忘れ、楽しい時間を過ごしました。まだ長い旅は始まったばかりですが、これからも気持ちを切り替えて頑張ろうと思えるような時間でした。これからも実習生同士で力を合わせて日々頑張っていきたいと思います。

(通信科 本田 昇基)

 

日付変更線通過祭にて選手宣誓をする実習生
日付変更線通過祭にて選手宣誓をする実習生

今年の3月に特修科を修了し、現場に着任後、現場の方々の協力もあり国際航海実習課程としてこじまに乗船させていただいております。こじまに乗船してから約2週間が経ちましたが、毎日新鮮で学びの日々を送っております。

こじまでは航海科実習生全員で正午にMeri.pass、没後にStar.Sightを行い実測位置をチャートに入れるという遠洋航海ならではの天文航法を行っています。実際に天文航法で船を航行させるのは初めての経験で、天文航法の計算にも四苦八苦しておりますが、教官方の熱い指導や専攻科実習生から教えてもらいながら過ごしております。

呉入港までまだまだ長い航海が続きますが、専攻科実習生に負けないように、何事にも全力で取組み、充実した遠洋航海を過ごしていきたいです。

(国際航海実習課程 佐々木 七海)

天測をする航海科実習生
天測をする航海科実習生

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