第68期 第16号 洋上投票、海外海上保安機関との合同通信訓練

2022年7月8日

日時

 令和4年7月5日(火)~7月8日(金)

場所  南シナ海上
天候  ー

航海実習も残すところあと10日程、私たちは7月5日にシンガポールを出港し、念願の呉に向け航海を始めました。現場赴任前最後の実習であるため、実習生それぞれが悔いの無いよう船務、訓練に励んでいます。

今回の航海期間中に参議院議員選挙が行われました。私たち実習生は陸上での投票が行えないため、船内においてFAXを用い洋上投票を行いました。

また、航行中の3日間に渡りマレーシア、ベトナム、フィリピンの海上保安機関との連携を強化するために合同通信訓練が実施されました。各国のオペレーターとのやり取りは全て英語で行われました。実習生は、通信で良く用いられる英語のフレーズや、正確に情報を伝えるための話し方の工夫などをあらかじめ学習して訓練に臨みました。

実習生のコメント

遠洋航海中であることから参議院議員選挙の投票を行うことができないと諦めていました。しかし、今回洋上投票という形で参議院議員選挙の投票に参加することができました。洋上は電波が入らないので、公約等詳しく調べることできませんでした。このため、投票者を選ぶことが難しく感じましたが、少ない情報ながらも自分の意見を考えて投票することができました。洋上投票に協力してくださった方々ありがとうございました。

(航海科 加藤正輝)

投票用紙を送信する実習生
投票用紙を送信する実習生

私は選挙権を得てから選挙に参加できることに喜びを覚え、選挙があるたびに欠かさず投票に行って参りました。今回の参議院選挙は遠洋航海中であり、参加できるかどうか不安がありましたが、洋上投票というおそらく私の人生で一度きりであろう形で投票できたことは、非常に良い経験となりました。私たちのために洋上投票を用意して下さった教職員方、ご協力いただいた呉市選挙管理委員会の皆様にこの場をお借りしましてお礼申し上げます。

(航海科 松下拓哉)

投票用紙に記入する実習生
投票用紙に記入する実習生

私は7日に実施されたベトナムの海上保安機関との合同通信訓練に参加しました。衛星電話を用いて、ベトナム海上保安機関の職員と遭難船舶への対応に関する通信を行いました。訓練を実施するにあたり、事前に予想される通信内容をイメージし、英語で表現する練習を行いました。その結果、情報の伝達を正確に実施し、航海中の学習の成果を発揮する機会とすることができました。これは大きな自信に繋がったと思います。しかし、航海中に受信した英語の通信は聞き取ることが難しいことが多々ありました。日本近海でも外国人乗組員とは英語でのコミュニケーションが必須となります。英語能力の向上が実習生全体としての大きな課題の一つであると改めて強く感じました。本訓練の調整に尽力して下さった乗組員、関係機関の皆様にはこのような貴重な機会を設けて下さったことに深く感謝いたします。ありがとうございました。

(通信科 加賀谷凌也)

ベトナムの海上保安機関と通信する実習生
ベトナムの海上保安機関と通信する実習生

私はフィリピンの海上保安機関であるフィリピン沿岸警備隊との合同通信訓練に参加しました。ヨットから人が海中に転落したという想定の下、フィリピン沿岸警備隊のオペレーターと衛星電話にて人が海中に落ちた場所やヨットの情報等の救助に必要な情報を英語でやり取りしました。訓練前日、遠洋航海中に外国船が無線でよく使っていたフレーズを復習したり、同期に相手役をお願いして、練習しました。訓練当日、この訓練は日本語でも難しいのに大丈夫かな?と思い不安を抱いておりましたが、事前に何度も練習したことを思い出し、訓練に臨みました。訓練では、英語を聞き取ることが非常に難しい場面もありましたが、正確に、かつ端的に情報を伝達、共有することができ、非常に良い訓練となりました。“正確かつ端的な情報伝達”は通信科において非常に求められる能力です。この訓練から、私は、英単語力の重要性を再認識しました。より多くの単語を知っていれば、“正確かつ端的な情報伝達”が可能となります。英単語力をつけ、英語ができる主任通信士を目指し、日々精進します。

(通信科 飯干風生)

フィリピンの海上保安機関と通信する実習生
フィリピンの海上保安機関と通信する実習生

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